ぼくはねずみ。パスカくんのともだち。
5.ペットボトル夫人 赤い自動販売機が一台、しずかなモーター音を立てながらたたずんでいます。 そこには、リサイクルを重ねたペットボトルが静寂に身を任せています。 「人生は旅だと誰かが言いました。しかし、私のペットボトル生は、旅そのものでした。」…
4.パスカ、やられる。 今日も、朝が新しい光を連れてきました。 ねずみとパスカが出会ったその日から、2人はずっといっしょです。 「パスカ、行こう。」 人間が体にパスカお気に入りのリュックをつけました。 「おるのすてきなりっく!」 人間の体にリュッ…
3.みんなでいっしょに 「どうぞ!ここがおるのいえ!」 しばらく車を走らせたあと、パスカくんがじまんげに言いました。 人間は、ねずみの体に付いていた、新品の証のタグをハサミできりました。 これでねずみは正式にパスカくんのものになったのです。 ねず…
2.ねずみ いぬと出会う それから時計の針が何回回ったことでしょうか。 ねずみのこころの中に、黒い雲が広がりはじめました。 「ぼくはいぬと遊ぶために生まれてきたのに。」 ねずみの目に、浮かぶはずのないしずくが光りました。 そのときです! 「ねちゅ…
僕はねずみ。パスカくんのともだち。 1.ねずみ アカデミーを卒業する。 「おめでとう!君たちは合格だ!」 ねずみアカデミー、ねずみ長が言いました。 「やったー!」「これで一人前だ!」「卒業だなんて嬉しい!」 はしゃぎ回るねずみたちの声が聞こえま…